もうすぐ子どもたちは夏休みですね。
時間に余裕のできる夏休みに、絵本ではない「本」を読み聞かせしてみてはいかがでしょう?
子どもが耳から聞いた言葉でおはなしを思い描くという点で、本の読み聞かせはストーリーテリングと同じです。おはなしを覚えなくても大丈夫なので、本の読み聞かせは気軽に始められますね。
絵がない本をどうやって読めばいいの?!と思われるかもしれません。
いえいえ、大丈夫、声に出して普通に読めばいいのです。子どもは本を見なくてもいいし、挿絵のところを見るのもいいですね。最初は短い、10分位で読み切れるおはなしから始めるのが気楽でしょう。
まずは昔話がおすすめです。
のら書店の「世界のむかしばなし」や「日本のむかしばなし」(瀬田貞二著)、こぐま社の「子どもに語るグリムの昔話」、「子どもに語る日本の昔話」などの昔話のシリーズ、東京子ども図書館の「愛蔵版おはなしのろうそく」シリーズなどは、耳で聞いてイメージしやすく、読み聞かせにぴったりです。
ちょっと慣れたら「エーミルはいたずらっ子」(アストリッド・リンドグレーン作/岩波書店)や「ミリー・モリー・マンデーのおはなし」(ジョイス・L・ブリズリー作/福音館)、「チム・ラビットのぼうけん」(アリソン・アトリー作/童心社)」など、短いおはなしが集まった創作の物語を読んであげるのもおすすめです。
これらの本の内容は、年長さんや低学年の子どもから十分に楽しめます。ただ活字が多いので、子どもが余裕をもって楽しむには、大人が読んであげてこそ!子どもは、絵本ではない本の中にも楽しい世界が広がっていることを、身をもって知るでしょう。
慣れてきたら、長いひとつの物語を読むことにチャレンジしてもいいかもしれません。毎日少しずつ読むと、何日も、時には何週間もかかりますが、長いスパンで本の中のドキドキワクワクを共有することは、親子でひとつの世界を旅したような充実した経験となります。
「たのしい川べ」(ケネス・グレーアム作/岩波書店)や「ちびっこカムのぼうけん」(神沢利子作/理論社)は、読んであげれば、やはり年長さんや低学年から楽しめます。こうした読み方ができるのは、ご家庭ならでは。時間に追われる学校や園ではなかなか体験できないことですね。
本を読んでもらうというのは、子どもからすると、見知らぬ活字の森を信頼できる大人が一緒に歩いてくれるようなこと。「読み取る」ことに捉われず、安心して物語の中に心を開放できます。
また、物語を家族で共有すること自体の楽しみもあります。本の中の登場人物が、まるでご近所の親しい人のように家族共通の友人となり、何かの折にふと話題に上るのは、ちょっと心の踊ることです。そして、読んであげたと思っている大人にも、これらの本はたくさんの楽しみ、喜びをもたらしてくれます。
この夏、やってみませんか?
*** ご紹介した本 ***
『世界のむかしばなし』 のら書店
『日本のむかしばなし』 のら書店
『子どもに語るグリムの昔話 1-6』 こぐま社
『子どもに語る日本の昔話 1-3』 こぐま社
『愛蔵版 おはなしのろうそく1-12』 東京子ども図書館
『エーミルはいたずらっ子』 岩波書店
『ミリー・モリー・マンデーのおはなし』 福音館書店
『チム・ラビットのぼうけん』 童心社
『たのしい川べ』 岩波書店
『ちびっこカムのぼうけん』 理論社
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