旅人馬 (日本の昔話)
『子どもに語る日本の昔話2』 こぐま社
今年の干支は午(うま)。
今も昔も、馬は人の暮らしに なくてはならないものでした。
農作業を助けてくれたり、旅の友だったり…。
「馬」にちなんで、鹿児島県の昔話を ご紹介します。
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兄弟のように仲の良い 貧乏な子と金持ちの息子が、一緒に旅に出る。
丹波の国の、とある宿屋に泊まると、宿の女が、真夜中に囲炉裏の灰で田植えをし、一晩のうちに収穫して 餅をこしらえる。
あくる朝、その怪しい餅をすすめられ、食べた金持ちの子は、みるみるうちに馬に変わってしまう。
貧乏な子は 友達を助ける手立てを探し回るが、どうしても見つからない。
しかし、あきらめて故郷に帰ろうとする途中、泊めてもらった山寺の和尚さんとの会話から 友達を助ける方法を知り、無事に救うことができる。
二人は連れ立って故郷に帰り、理由を聞いた金持ちの父親は心を打たれ、あるだけの財産の半分を貧乏な子にやり、二人とも金持ちになる。
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金持ちと貧乏人という 極端な境遇の二人の友情のお話。
友達関係もだんだん複雑になってくる高学年が 惹きつけられるお話で、毎年 語っています。
「旅人馬」というタイトルからは、内容がなかなか想像しにくいのですが、聞き終わって「なるほど」と思うのも、やはり高学年のように思います。
怪しげな宿の女が一晩で餅を作る冒頭から、子どもたちは「何が起こるんだろう」と お話に入り込み、金持ちの子が 馬になってしまうくだりでは、はっと息をのむ様子も見られます。
和尚さんと碁を打つ場面の問答なども 聞き手が惹きつけられるところでしょう。
友達を助ける方法として、「三月三日に よもぎだんごを食べさせると良い」と聞き出すのですが、よもぎは 古くから薬として、また、魔除けや厄払いにも用いられていたようで、現代にも通じるところがありますね。
『日本昔話百選』(三省堂)にも 同じ題名の話が収録されていますが、友達を助ける方法が違っていて、読み比べてみると面白いでしょう。また、類話に『ふしぎなやどや』という中国の昔話があり、こちらは絵本で楽しめます。
海を隔てたお隣の国にも 同じようなお話があり、生まれた国は違っても、人は同じようなことを感じたり考えたりしていたのだなと、昔話の不思議さを感じます。
寒さが一段と厳しいこの冬、暖かいお部屋の中で こんなお話はいかがでしょうか。
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