プロフィール

1999年	語り手たちの会 （現 NPO法人 語り手たちの会） 「語りの入門セミナー」 （講師：櫻井美紀氏ほか）修了
2003-2004年	かながわこどもひろば 「ストーリーテラー養成講座」 （講師：平田美恵子氏）修了
2006-2008年	小澤昔ばなし研究所 「昔ばなし大学」東京４期 （講師：小澤俊夫氏）修了
2018-2020年	かながわこどもひろば 「ストーリーテラー研修講座 （指導者養成講座）」 （講師：平田美恵子氏）修了

ストーリーテリングとの出会い

初めてストーリーテリングのお話を聞いたのは1998年、大人になってからでした。
友人に誘われて出掛けた「大人のためのお話会」。何が行われるのか よくわからないまま参加したのですが、お話を聞いてポロポロと涙が止まりませんでした。そのことに、自分でもビックリ。

映画を観終わったあと、その余韻に浸りたくて、しばらく話しかけないでいてほしい感じがありますが、それと同じ感覚でした。映像や絵を見ているわけではなく、語られるお話を聞いているだけなのに、どうしてこんなに心が動くんだろう？ 衝撃的な体験でした。

「大人でも こんなにお話を楽しめるのだから、子どもが聞いたら どんなに良いだろう！ 私も、子どもの頃にストーリーテリングのお話を聞きかった！」と強く思いました。
ぜひ 子どもたちにお話を聞かせてあげたい。そう思って、ストーリーテリングを学び始めました。

原動力は子どもたち

ストーリーテリングを始めて まだ日が浅い頃、幼稚園で語る機会がありました。
いつもは、担任の先生が 絵本の読み聞かせ や 紙芝居をしてくださっていましたが、子どもたちがストーリーテリングのお話を聞くのは、その日が初めてです。いつも動き回っているA君が最前列に陣取っています。少し大人びたB君は、私に背を向けて座って リュックのファスナーを ずっと開け閉めしています。「聞いてなんかやらないぞ。」とでも言いたげです。

そんな中で語っていると、いつの間にかB君の手が止まっていて、じっと聞いている様子が背中からも伝わりました。そして、お話が佳境に入ると、B君が「それからどうなるの？」というような真剣な顔でパッと振り向いたのです。思わず聞いちゃったのね と嬉しく思いました。

お話が終わると、担任の先生が「今日は絵本も紙芝居もなかったけど、どうだった？」と子どもたちに尋ねられました。すると、微動だにせず聞いてくれていたA君が「うん！楽しかった！きっと、みんなの心の中に絵が映ってたんだよ！」と目をキラキラさせて言ってくれました。
なんと詩的なことを言ってくれるではありませんか！ この時の感激は忘れられません。

子どもたちと一緒にお話を楽しむ喜び。これが、私がストーリーテリングを続けている原動力です。
そして、大人の方とも お話を介して 共感する喜び。初めてお会いする方とも、共通のものを楽しんだという 不思議な連帯感が生まれます。

これからも、お話を通じて 新しい出会いがありますように。